So-net無料ブログ作成




Lancia Stratos HF Prototype (1971) [車、カーデザイン]

Lancia_Stratos_HF_Prototype_01.jpg


随分間が開いてしまいましたが(2月いっぱい仕事がきつくてキツクテ…ブログどころの騒ぎじゃありませんでした)、
前回取り上げたランチア・ストラトス・ゼロに続いて今回取り上げるのは、そのストラトスの量産版に向けての
プロトタイプ、ストラトスHFプロトタイプ。名前こそ同じストラトスとつきますが、形はかなり変わって、
かなりまともというか、すくなくとも不通に乗り降りできるようなごくまっとうなドアがついています。
とはいえ、この形。2次曲面の一部を切り取ったと思われるフロントウインドーの形状が特に印象的です。


1971 Lancia Stratos HF Prototype - Conceptcarz
http://www.conceptcarz.com/vehicle/z1573/Lancia-Stratos-HF-Prototype.aspx


Lancia_Stratos_HF_Prototype_02.jpg
Lancia_Stratos_HF_Prototype_03.jpg
Lancia_Stratos_HF_Prototype_04.jpg
Lancia_Stratos_HF_Prototype_05.jpg
このフロントビューはいつ見ても惹かれます。シャープでモダンで、当時考えられた未来を感じます。
横から見ると、前から見た印象と違って、あれ?っと思うほど、かなり寸詰まりなことに驚きます。
もっとうんと長く見えた鼻先はこんなに短くて、ホイールベースも極端なまでに短く、全体的にはこんなに
短いのか…。

Lancia_Stratos_HF_Prototype_06.jpg
実際にはコンパクトでありながら、もっとずっと大きくて立派なものに見える、こういうのはとても優れた
そして魅力的なデザインだと個人的には思うのですが、これにはノーズ全体の強い傾きとフロントウインドーの
やはり強い傾き、そしてプランビューでの絞りがほとんど無いことなどがあいまって、前から見たときにルーフ
が随分遠く、フロントエンドから距離があるように見えて、ある意味遠近感を狂わされてこう感じるのか…、
この感覚は当時のいわゆるスーパーカーの多くでしばしば感じられることで、好きなポイントのひとつです。

Lancia_Stratos_HF_Prototype_07.jpg
Lancia_Stratos_HF_Prototype_08.jpg
Lancia_Stratos_HF_Prototype_09.jpg
フロントはとても好みなのですが、このリヤコンビランプは…、
なんかもうちょっとやりようが無かったものかと正直思います。

Lancia_Stratos_HF_Prototype_10.jpg
Lancia_Stratos_HF_Prototype_11.jpg
このドアハンドルも、よく見るとこんな針金みたいに細いレバーで、色々むき出しのまま。機能を満たせば
それで良しということなのか、ある意味アヴァンギャルドなのか…。

Lancia_Stratos_HF_Prototype_12.jpg
Lancia_Stratos_HF_Prototype_13.jpg
こういうシンプルな矩形を並べたパターンのスリット状のエアアウトレットはこの頃のベルトーネ作品、
アルファロメオ・カングーロとかモントリオールとかでも見られる処理ですし、車に限らずこの頃の他の
工業製品でもよく見られたデザインで、いわば当時のトレンドといえるものだったと思います。
いい意味で当時を感じられて個人的には心地よく思えるところのひとつです。

Lancia_Stratos_HF_Prototype_14.jpg
Lancia_Stratos_HF_Prototype_15.jpg
ホイールも近くで見るとこんなことになっています。鋳造の鋳肌も粗さが当時らしいです。このホイール、
あまり軽そうにも見えないし…、これに関しては市販版のスポークの長いほうのデザインが一番いいと思います。

Lancia_Stratos_HF_Prototype_16.jpg
Lancia_Stratos_HF_Prototype_17.jpg
Lancia_Stratos_HF_Prototype_18.jpg
こちらに向かって走ってくるHFプロト、カッコイイです。

Lancia_Stratos_HF_Prototype_19.jpg
Lancia_Stratos_HF_Prototype_20.jpg
走り去る後姿は…、悪くない、ですね。 リヤコンビランプはやっぱりちょっとびっくり、なんですけど
それでも全体的な雰囲気が周囲の景色から浮いてて非日常を感じさせてくれて、そのことのほうが大きくて、
単独で見ると何でこんな…と思ったリヤコンビランプもそれほどは気になりません。

Lancia_Stratos_HF_Prototype_21.jpg
Lancia_Stratos_HF_Prototype_22.jpg
多分本物だと思うのですがなんだかミニカーっぽく見える写真。この車はそう見えることがしばしば。

Lancia_Stratos_HF_Prototype_23.JPG
Lancia_Stratos_HF_Prototype_24.jpg
Lancia_Stratos_HF_Prototype_25.jpg
Lancia_Stratos_HF_Prototype_26.jpg
フロントフェンダーは大きなホイールストロークをまかなうために一般面から飛び出した形になっていて、
それがこの車のデザイン上の魅力のひとつにもなっているのですが、その他の部分、全体的にはごくシンプルな
造形といえます。
短く極端なウェッジシェイプ、豊かな張りのサイドパネル、それだけで造形されたウェストラインより下の
ボリュームに、2次曲面から切り出したシンプルにしてシャープなイメージのフロントウインドーとそれにつながる
サイドウインドーとルーフで構成されるキャビンを載せた、わかりやすい(認識しやすい)造形。余計なものが
あまり無く、それがとても心地よく魅力的です。うるさいほど色々なキャラクターライン、プレスラインの入った
最近の多くのものよりもずっと。

Lancia_Stratos_HF_Prototype_27.jpg
Lancia_Stratos_HF_Prototype_28.jpg
Lancia_Stratos_HF_Prototype_29.jpg
隣のターコイズブルーというかエメグリーンというかのコンセプトカーも当時らしいデザインですが、
おもむきはかなり異なります。

Lancia_Stratos_HF_Prototype_30.jpg
Lancia_Stratos_HF_Prototype_31.jpg
Lancia_Stratos_HF_Prototype_32.jpg
Lancia_Stratos_HF_Prototype_33_sketch.jpg
Lancia_Stratos_HF_Prototype_34_layout.jpg
この前後カウルの開き方がまたいいですね。


カウンタックもそうですが、このストラトスもこのデザインで(市販版はまた少し変更はありますが、形状的には
ほぼこのままといえますので)実際に市販車を作って売ったということがすごいと思います。しかもストラトスの
場合は世界ラリー選手権に出て、総合優勝するという目的をきっちりと達成しているのですから、もう本当に立派、
大したものです。このデザインだから速かった、このデザインだから勝てた、というわけではないんでしょうが、
何にしても、こんな形の車がラリーで本当に速いなんて、関係者以外は信じられなかったのではないかと思います。






ゼロもいいけど、こっちのプロトタイプもいいなぁ、すごく魅力的…。